紫斑 - 内臓の異常が見つかることも
紫斑とは?
「紫斑」は出血によって皮膚組織中に生じる紫色の斑点(出血斑)のことで、よく似た症状に、(毛細)血管が拡張したり増加したりして赤く見える「紅斑」があります。どちらも赤くみえますが、見分けるためには指で押してみます。すると、「紅斑」では、押された部分の血管がつぶされて血液成分が血管内を移動し赤みが消えますが、「紫斑」では、押されても血管から漏れ出た血液成分の行き場がないため、赤みは赤みとして残り、色の変化が認められません。
「紫斑」は大事なサイン
「紫斑」で注意する点は、脳出血、消化管出血、腎糸球体出血など、全身性に生じている出血の一皮膚症状としてみられる場合です。別の言い方をすると、皮膚・粘膜の一部に出た「紫斑」という大事なサインを見逃さず、その裏に隠された原因を知り、注意することで、生命の危険を回避できることがあるのです。
ワーファリンなどの抗凝血剤を服用中に「紫斑」が生じる場合は、起こりうる可能性に注意しながら、下血(消化管出血)などの症状があれば、速やかに主治医と相談する必要があります。
紫斑の種類—こんなときは皮膚科へ
「紫斑病」(皮膚および粘膜に点状・斑状の出血を起こす病気)の主なものを表に示します。それには、機械的紫斑、老人性紫斑、慢性色素性紫斑のように、皮膚症状だけで生命的予後の良いものもある一方、アナフィラクトイド紫斑のように、発見が遅れると腎障害などを併発し重症化するものまであります。
ですから、「紫斑」をみた時には、皮膚科を専門とする医師に診察を受ける必要があります。
紫斑病の種類
原因 病名
A 血小板減少による 特発性血小板減少性紫斑
B 血管の異常による
1.血管内圧亢進による 機械的紫斑
2.支持組織脆弱による
1) 老化による 老人性紫斑
2) ステロイドによる ステロイド紫斑
3) ビタミンCの欠乏による 壊血病
3.血漿タンパク異常による クリオグロブリン血症
4.血管の壊死による アナフィラクトイド紫斑
5.先天性血管および結合組織異常 エーラス-ダンロス症候群
C 凝固因子異常によるもの
1.凝固因子の欠如による 先天的 血友病
2.凝固系活性化による 後天的 播種性血管内凝固(DIC)症候群
D 原因不明
1.全身症状なし 慢性色素性紫斑
2.紫斑 以外の症状・所見を欠く 単純性紫斑
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