埼玉県皮膚科医会

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デルマドローム - 皮膚は内臓の鏡です

デルマドローム
皮膚は内臓の鏡です

本町診療所 伊崎誠一先生

 

外をみて内を知る

皮膚は内臓の鏡と言われています。体を外から見て体内の異常を知る。これは皮膚科医にとって理想であるばかりでなく、患者さんにとってもいろいろな検査に伴う苦痛が少なく、迅速・能率的であるわけです。高齢者医療が社会的問題としてマスコミに頻繁に取り上げられます。御高齢の患者さんにとっては、年に1-2回の人間ドック、全身の定期検査は勿論重要ですが、全身を丁寧に診察し、次にどの検査に進むかを必要に応じて判断してもらうことがさらに重要です。皮膚を診る専門家を上手に活用して頂きたいと思います。

 

血管の異常から肝機能異常がわかる例

足の状態から糖尿病が分かる例

 

どんな病気がわかる?

高齢者に多いのは、種々のがん・悪性腫瘍、心臓病、腎臓病、糖尿病、高脂血症、高血圧、動脈硬化などです。赤ら顔、黄色の爪、手足の末端の硬化、末梢循環障害による紫色の手指の変化、冷感、壊死、潰瘍などから、動脈硬化や糖尿病、血管障害の進行が分かります。このような皮膚の変化から、糖尿病の進行を知り、治療の重要性に気づくことがあります。異常なかゆみと爪をたてて掻きすぎることによる皮膚の変化から高度の肝障害、高度の腎障害がわかることがあります。そればかりでなく、時には内臓がんや血液のがんが発見され, ようやく本格的な治療が開始されたという例があります.  指先の爪の丸まった変化, 脇の下や頚部の異常な色素沈着, 足底の異常な角化から内臓がんの存在が発見されることもあります。
そとから診れば体内が何でもわかるというわけではありませんが、これは皮膚を診察する我々医師の目標なのです。もし全身の異常の早期発見につながれば、それは患者さんにとって有益であることに間違いはないでしょう。

こんな時は皮膚科へ、皮膚科ではこんな治療しています

普通の皮膚病の治療をして治りが悪い時、何かいつもと違うなと思う時、熱、だるい、やせる、つかれやすい、など全身の異常にともなって発疹が出てきたような時は皮膚科専門医の診察を受けて下さい。それで全身の異常が無いことがわかればそれでひと安心です。時に見逃すことができない異常が発見されることもあります。早期発見早期治療につながれば、将来の不安が少しでも減ることになります。

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