虫さされ - ボリボリ掻いていませんか?
虫さされの症状は人によってまちまち
虫(蚊、ダニ、ノミなど)に刺されても人によって反応はさまざまです。同じ虫に刺されてもほとんどかゆみを生じない人もいれば、かゆくて一晩中眠れない人もいます。蚊などの虫に刺されますと幼児は大人に比べて、大きく腫れやすく、かきこわして感染しトビヒになったりします。家の中でのダニによる虫さされは、反応の強い人のみ症状が出るので、意外と思われますが、本人以外の家族には症状が出ないのが普通です。
虫の種類と皮膚の症状
主な虫さされについて説明しますが、いずれも夏に多くみられます。
●毒蛾(毛虫)ひふ炎 ほとんどが茶毒蛾の幼虫でおこります。ツバキやサザンカの木に触れただけで、毛虫が体を丸め毒針毛が飛んできて皮膚炎をおこします。毒針毛は衣服の繊維を通り抜けてしまうので首や肩周囲などの上半身を中心に皮疹を生じます。幼虫が発生するのは年2回6~8月、9~10月です。
●ブユ刺症 幼虫は主に渓流に生息するため、川遊びやキャンプで刺されます。いつまでもかゆみのとれないシコリとなって、年余にわたることがあります。
●ノミ刺症 ほとんどがネコノミによるもので、猫を飼ってない人でも庭や公園を歩いていて、土の中からふ化したノミに刺されて症状が出ます。地表から30㎝ほどジャンプするので足首を中心とした下腿に皮疹が出現するのが特徴です。
●ツメダニ刺症 家の中のフトンや畳の中に生息し、夜間就寝中に刺すダニとして、ツメダニ、イエダニがあげられます。最近では、ねずみに寄生するイエダニよりツメダニによる被害が増えています。わき腹や下腹部、ももの内側など皮膚のやわらかいところに症状がでます。かゆみのためにダニノイローゼになって、くん煙剤をたく人がいますが、残念ながら、これではフトンや畳の中にいるダニは死滅しません。
●蜂刺症 刺されて15分以内にじんましん、腹部症状、呼吸困難、意識消失など全身症状を呈する場合は危険で、救急車を呼ぶ必要があります。ショック症状はアレルギーでおきますので、問題となるスズメバチ、アシナガバチに刺されても、それまでに蜂に刺されたことがないかたは過剰に心配する必要はないと思います。
●その他 イラガひふ炎は毛虫の一種によるもので、刺されたとき、激痛が走るのが特徴です。海外旅行のバッグで持ち込まれたトコジラミ(南京虫)によるひふ炎が最近増加しています。
虫さされの予防は?
蚊やブユ、ノミに対しては、虫よけ忌避剤を使用しましょう。ちなみに蜂には忌避剤は効かず、とにかく巣に近づかないことです。ツメダニ刺症の予防は何よりも通気を良くし、除湿機を使って湿度を下げ、フトンを良く干すことです。毒蛾ひふ炎の予防は、ツバキやサザンカの剪定の際には、ウィンドブレーカーなどで防備して行い、かゆみを感じたら粘着テープなどで毒針毛を除去しシャワーを浴びましょう。
こんなときは皮膚科へー皮膚科ではこんな治療をしています
特に幼児の場合、虫さされがひどくなり、放置するとかきこわして、感染をおこしてトビヒになってしまいます。ノミ刺症は大きな水疱を形成しますし、ブユはいつまでもかゆみのとれないシコリになることがあります。ダニや毒蛾ひふ炎はかゆみで不眠の原因になります。いずれも早めに皮膚科を受診しましょう。治療はステロイドの外用と抗ヒスタミン薬の内服ですが、赤みやかゆみが強い時は、ステロイド薬の内服が必要になることがあります。
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