埼玉県皮膚科医会

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皮膚カンジダ症 - 病気が潜んでいませんか?

皮膚カンジダ症
病気が潜んでいませんか?

加藤卓朗先生


皮膚カンジダ症の原因菌はカビの一種であるカンジダです。

皮膚カンジダ症は、股部・陰部・オムツ部・手指の第3指間など、湿ってこすれやすい間察部に生じます。症状は、境界が余りはっきりしない、じくじくした紅い斑で、その中や周囲に小さい水ぶくれや膿が多数見られます。軽い痒みを伴うことが多いです。診断は病変部から皮膚の一部を採取して、顕微鏡で検査し、カンジダの菌要素を検出すると確定します。治療の基本は、カンジダに抗菌力のある抗真菌薬の外用です。同じカビの病気である水虫に比べると治りやすいですが、広範囲に生じたときや治りにくい場合は内服薬を用いることもあります。
皮膚カンジダ症の診断と治療は他の皮膚病と比較してもそんなに難しくはありません。問題になるのは発症した場合は必ず原因・誘因があるということです。というのは、カンジダは粘膜の常在菌で、誰でも保菌していますが、病原性が弱い菌で、発病することはめったにないからです。

発症の原因・誘因は皮膚と全身の問題に分けて考えましょう。

皮膚カンジダ症は、間察部に多く、高温・多湿などの環境因子、オムツの使用・多汗・不潔など皮膚の清潔が原因になります。そのため、季節的には夏に多く、寝たきりによる不十分なスキンケア、肥満、妊娠なども関係します。さらにステロイド薬の外用や糖尿病のコントロール不良による皮膚の免疫能の低下、もともとあった皮膚疾患に対する不適切な治療なども問題になります。
全身的に問題になるのは免役能の低下です。糖尿病・膠原病・悪性腫瘍・AIDSなどの患者さん、ステロイド剤・抗がん剤など強い薬を投与されている患者さん、大手術・放射線・透析などの治療を受けている患者さん、さらに健康に大きな問題がなくても高齢者には発症しやすいです。

皮膚カンジダ症と診断された場合

適切な治療を受けるとともに、発症した原因・誘因の検索を行ってください。体に潜んでいる病気が見つかることもあります。



乳児のカンジダ症



指間のカンジダ症



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