湿疹 - 皮膚科医はこんなことを考えて治療しています
湿疹とはどんな病気ですか?
皮膚科を受診する患者の半数はいわゆる“湿疹”です。かゆみがあり、丘疹や小水疱などのブツブツした発疹を生じるのが典型的症状です。かぶれやアトピー性皮膚炎などが代表的病気です。それ以外にも高頻度に生じ、特徴のある症状を呈する“湿疹”があります。冬期に多く乾燥がきっかけとなる“皮脂欠乏性湿疹や貨幣状湿疹”、お湯による洗い物や洗剤の使い過ぎにより手指の指紋が消え、ひび割れを生じる“主婦湿疹”、体質に起因することが多く、眉毛、鼻翼、などが赤くなり、皮脂で光っている“脂漏性湿疹”、繰り返し掻くことにより皮膚がガサガサと分厚くなる“慢性湿疹”などです。これらの病気が典型的症状を呈していれば皮膚科医は一目見て診断が可能です。乾燥が原因となる病気はアトピー性皮膚炎の素質があると生じやすくなります。
どのように治療しますか?
治療はステロイド外用剤が主体となります。他の皮膚疾患に比べて“湿疹”には高い治療効果を発揮するため、ステロイド外用剤で改善するようなら“湿疹”である可能性が高いともいえます。副作用を心配する方が多いと思いますが、副作用を熟知している医師の指示を守れば心配いりません。一番強い外用薬を一日2本以上何ヶ月も使い続けると副作用がでる可能性は高くなりますが、初期に多く使用しても次第に少なくなるはずです。内服のかゆみ止め(抗ヒスタミン薬)は治療に必要な場合とさほど効果がない場合があります。
こんなときには皮膚科へー皮膚科ではこんな治療をしています
治療にあたっては“かゆいから掻いてしまい、さらに悪化する”、といった悪循環を断ち切ることを考える必要があります。治りにくいようであれば、診断が違う、外用方法が間違っている(擦り込み過ぎはいけません)、外用剤の強さの選択が悪い、かぶれる原因がある、熱い風呂や洗いすぎなど乾燥に対する対策が不十分、などの何らかの原因があると思われます。何が悪いか主治医と一緒に考えると原因を見つけられることが多く、そのために皮膚科に通院すると思うとよいかもしれません。
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