埼玉県皮膚科医会

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蕁麻疹(じんましん) - あとかたもなく消える、かゆいボツボツ

蕁麻疹(じんましん)
あとかたもなく消える、かゆいボツボツ

あきもと皮フ科クリニック 秋元幸子先生

 

 

蕁麻疹とは?

蕁麻疹は蚊に刺されたような痒い発疹(図1,図2)ができ、24時間以内にあとかたもなく消える皮膚病です。マスト細胞という細胞がヒスタミンなどの化学物質を放出し発疹が出来ます。

繰り返す蕁麻疹の多くは、原因を特定できません

蕁麻疹には呼吸困難やアナフィラキシーショックなど重い症状を伴うこともありますが、多くは発疹のみが生じます。また、蕁麻疹にはある決まった原因で出来るタイプと、決まった原因のないタイプがあります。食物アレルギーなどアレルギーによって起きる蕁麻疹や、汗や寒さなどの刺激で生じる蕁麻疹は、決まった原因で出来る蕁麻疹です。これらの蕁麻疹は、原因を避けることができれば、新しく蕁麻疹が出ることは通常はありません。これに対して、特定の原因がなく、繰り返し生じる蕁麻疹があります。「疲れ、ストレス、風邪」などでマスト細胞が不安定になり、「香辛料を摂る、衣類で体を締めつける」などの少しの刺激で化学物質が放出されるために生じると考えられています。この「皮膚以外に症状はないものの、繰り返す原因不明の蕁麻疹」が最も多い蕁麻疹です。

 

図1

図2

 

こんな時は皮膚科へー皮膚科ではこんな治療をしています

息苦しさや気分不良など皮膚以外の症状を伴っている場合は、入院設備のある施設に受診することをお勧めしますが、皮膚の症状のみの場合は、皮膚科のクリニック(開業医)で対応できます。
まずは患者さんのお話から、原因と考えられるものがあるか、今後対処できることがあるか検討します。アレルギーで起こる蕁麻疹はごく一部であるため、全てにアレルギー検査を行うことは勧められません。希に感染症、甲状腺の病気、ピロリ菌による胃炎など、別の病気が隠れていることがあり、状況に応じてこれらの病気があるか調べることもあります。
治療はアレルギーが原因でなくても、抗アレルギー薬という飲み薬を中心に行ないます。抗アレルギー薬には、ヒスタミンをブロックし症状を起こさないようにするだけでなく、マスト細胞を安定化させる作用があります。抗アレルギー薬にはいくつも種類があり、また抗アレルギー薬以外にも、蕁麻疹に有効な薬があります。時には何種類か試しながら、まずは飲んでいれば蕁麻疹が出ない薬を探します。その後、繰り返す蕁麻疹の場合は、十分病気が落ち着くまで薬を飲み続けます。やめるタイミングは医師の指示に従っていただきます。
原因は不明でも、このような治療で多くの蕁麻疹は治ります。繰り返す蕁麻疹の治療期間は、数日から数年と様々です。治療を始めるまでの期間が長いと治るまでの期間も長くなるという報告もあります。早めに皮膚科を受診して下さい。

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