疥癬(かいせん) - 激しい痒み。ヒトから感染したダニが原因かも・・
疥癬とは?
疥癬はヒト皮膚角質層に寄生するヒゼンダニの皮膚への感染により、体や四肢に激しい痒みがみられる感染症です。
どのように移るの?
一般に、ヒトの肌から肌への直接感染により感染します。そのため性行為感染症としても発症しますが、多くは生活を共にする家族間での感染です。近年では老人病院、老人福祉施設などの高齢施設における患者間、介護する家族あるいは従事している人などで、発症が増えています。
疥癬の症状は?
疥癬はヒゼンダニが感染してもすぐに症状が現れるわけではありません。感染から2〜4週程すると、体や四肢には紅色〜紅褐色調の皮疹(丘疹)が出現してきます(写真1)。かなり強い痒みを伴い、しばしば夜も眠れません。外陰部や脇の下にはしばしばやや硬い丘疹がみられることがあり、疥癬に特徴的な皮疹といえます。また、手・指では線状に隆起した皮疹(疥癬トンネル)がみられることもあります(写真2)。しかしながら、初期のうちは、皮疹から必ずしも疥癬の診断が容易ではなく、湿疹などと診断され、治療されていることも少なくありません。疥癬にステロイド外用は効果なく、ステロイド外用により皮疹はかえって悪化・修飾され、角化型疥癬など多彩な皮疹を呈することもあります(写真3)。
診断は?
疥癬は皮膚の角質層に存在するので、皮疹の表面をピンセットで取り、顕微鏡でヒゼンダニの虫体、虫卵(写真4)を確認すれば、診断できます。
こんな時は皮膚科へー皮膚科ではこんな治療をしています
体の痒みを伴う皮膚の病気はたくさんあるので、体が痒いからといって、むやみに疥癬を心配する必要はありません。疥癬の患者さんに触れるような機会があった方で、体幹・四肢に強い痒みのある皮疹が出現してきた場合は、疥癬も疑われますので医療機関を受診する必要があるでしょう。もし、家族内で疥癬の患者が判明した場合、感染している可能性も高いので、早めに受診しましょう。
疥癬の治療薬は古くはイオウ剤やクロタミトン(オイラックスクリーム)の外用が行われてきましたが、現在ではイベルメクチンの内服、あるいはフェノトリン(スミスリンローション)の外用が第一選択となっています。
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