異汗性湿疹 - 「ニセ水虫」にご注意
「足の皮がむける」「足がかゆい」から水虫と思ったら大間違い
水虫だと思って皮膚科を受診する患者さんの2~3人に1人は水虫ではない別の病気だといわれています。足の裏に「皮がむける」「痒い」「水疱」などの症状があると、みなさん「水虫かな?」と思うようです。でも、このような症状をきたす病気は実は水虫以外にもたくさんあるのです。中でも、一番よく見かけるのが異汗性湿疹です。
異汗性湿疹はどんな病気?
異汗性湿疹は手足に汗をかきやすい体質の人に多くみられます。季節の変わり目などに手のひらや足の裏、指趾側面に直径1~2mmの小水疱が多発し、薄く円く襟飾り状に皮がむける「汗疱」で始まり、再発を繰り返します。無症状のこともありますが、赤くなって痒みを伴う場合や大きな水疱がむけてビランとなり、むしろ痛くなることもあります。
異汗性湿疹と水虫は専門家でも見分けられない
この湿疹は水虫と同様ありふれた病気で、痒みや水疱、皮がむけるなど水虫とそっくりの症状を示すことが多く、再発を繰り返すうちに足の裏の角質が厚く硬くなることもあります。ですから、「ニセ水虫」の代表とされ、専門医でも目で見ただけでは両者を見分けるのが難しく、その診断には顕微鏡検査が欠かせません。
異汗性湿疹ができやすい人は水虫にもなりやすい
また、やっかいなことに異汗性湿疹の人は足の指の間が常に汗で湿っており、水虫にもなりやすいのです。ですから、この異汗性湿疹と水虫が合併しているケースや両者が交互に症状をあらわす場合も多く、このために水虫の診断と治療が難しいともいわれています。
こんなときは皮膚科へー皮膚科ではこんな治療をしています
異汗性湿疹の治療は、皮がむけているだけなら保湿剤、赤くなり痒みや痛みを伴う時にはステロイド軟膏を外用します。また痒みが強い場合には抗ヒスタミン剤や抗アレルギー剤を内服します。
いずれにしても、「急がば回れ」で、足に症状があり、「水虫かな?」と思ったら、自分で生兵法をせずに、まず皮膚科専門医を受診し、正しい診断のもとに的確な治療を受けることが重要です。
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